「熟成チーズって美味しいけれど、熟成ってどういうこと?」「発酵や腐敗とは何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか?
熟成と発酵、腐敗は理化学的に同じ現象とされていますが、工程のことであったり、成分の変化であったり、チーズの状態をあらわす言葉であったりと細かい違いがあります。
本記事では、チーズの熟成について、似た言葉である「発酵」や「腐敗」との違い、熟成方法の種類、そしてよつ葉乳業のおすすめ熟成チーズを紹介します。
<本記事でわかること>
・チーズの熟成とは
・チーズの「熟成」「発酵」「腐敗」の違い
・よつ葉乳業のチーズを熟成方法ごとに分類
・カマンベールチーズのレトルト殺菌について
・よつ葉乳業のおすすめ熟成チーズを紹介!
熟成とは、ナチュラルチーズを作る工程の一つを指します。
作りたてのチーズは、まだ組織が固く、風味も控えめです。
しかし、温度や湿度が管理された環境で保管することで、食感や風味が徐々に変化し、より豊かな味わいを持つチーズへと変化します。
この工程を「熟成」と呼びます。
チーズの熟成は主に乳酸菌をはじめとする微生物が産生する酵素によって進行します。
たんぱく質が分解されて旨味成分であるグルタミン酸などのアミノ酸に変わるほか、乳糖や乳脂肪分も分解され、チーズの味わいが時間をかけて深まっていきます。
また、熟成期間はチーズの種類によって異なり、数か月で完成するものから、数年をかけて熟成させるものまで様々です。
長期間熟成されたチーズは、濃厚な旨味と深みのある複雑な味わいが特徴で、チーズ愛好家にとって魅力的な一品です。
一方、熟成を行わずに作られているナチュラルチーズも存在します。
例えば、クリームチーズ、マスカルポーネ、カッテージチーズなどの「フレッシュチーズ」と呼ばれる種類のチーズは水分を多く含み、柔らかい食感とクセの少ない風味が特徴で、手軽に楽しめるチーズとして人気です。
チーズの熟成について説明しましたが「発酵」や「腐敗」などとどのような違いがあるかわからないと感じる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、それぞれの意味の違いを解説します。
まず、熟成とは一般的に酵素の働きによって、食品の触感や風味が変化する工程です。
熟成をさせる食べ物には肉や、味噌や納豆、豆腐や醤油などの発酵食品もありますが、チーズの熟成は乳酸菌等の微生物が産出した酵素による分解によって、チーズ自体の触感や風味を変化させる工程をいいます。
次に、発酵には様々な定義がありますが、一般的には微生物の働きにより物質が変化することのうち、「人間にとって有用なもの」を発酵と呼び、チーズの製造においては、乳酸菌などの微生物によって各種乳成分に変化が起こることをいいます。
最後に、腐敗とは理化学的には発酵と同じ現象とされています。
つまり、「微生物が働いて物質が変化すること」のうち、その変化が人間にとってメリットがある場合を発酵と呼び、逆にデメリットがある場合を腐敗と呼びます。
次は、よつ葉乳業のチーズを熟成方法ごとに分類してみていきましょう。
よつ葉乳業のチーズを熟成方法別に分類すると次の3つです。
熟成チーズは、どのように熟成させるかによって食べ頃が異なります。
カマンベールチーズは、表面に吹き付けた白カビの働きによって熟成が進むタイプのナチュラルチーズです。
熟成が進むことで、チーズの組織が柔らかくなり、とろけるような食感になるのが特徴です。
ただし、熟成が進み過ぎると食べにくいほどとろけてしまったり、風味や香りが強くなり過ぎてしまったりすることがあります。
これはチーズ好きには非常に魅力的だとされますが、人によってはクセが強いと感じることもあるでしょう。
そのため、国内で一般的に流通しているカマンベールチーズの多くは、メーカーが適切な食べ頃になるまで熟成させた後、高温・高圧で殺菌する「レトルト殺菌」を施しています。
これにより、微生物の働きを止めて熟成が進まないようにし、流通中でも品質が安定する工夫をしています。
レトルト殺菌とは、食品を高温・高圧で殺菌する方法のことで食品工場では一般的な技術です。
ご家庭でもレトルトカレーやレトルトスープ等を利用されたことがあると思います。
次は、よつ葉乳業で販売されているカマンベールチーズを「レトルト殺菌しているもの」「レトルト殺菌していないもの」に分類した表をご覧ください。
レトルト殺菌されたカマンベールチーズは、食べ頃の状態で熟成が止まっているため、賞味期限が長く、安定した品質を楽しめる点が魅力です。
一方で、よつ葉手造りブルー&カマンベールはレトルト殺菌を行っていないため、流通中やご購入後も熟成が進み、それに伴いチーズのとろけ具合や風味、香りが変化していきます。
この特性を活かして、ご自身のお好みに合わせた熟成状態を選ぶという、チーズ上級者の食べ方ををお楽しみいただけます。
よつ葉手造りブルー&カマンベールの熟成度合いによる味わいの変化については、別記事の「一つ一つ丁寧に手造り。よつ葉の「手造りブルー&カマンベール」」をご覧ください。
よつ葉乳業の北海道十勝 熟成ゴーダは、北海道十勝産の生乳で作ったゴーダチーズを、温度や湿度を徹底コントロールした部屋で、1年以上じっくりと熟成させたチーズです。
通常のゴーダチーズよりも長期間熟成させた熟成ゴーダは、まったりとした滋味深い味わいとコクの深みが増しています。
長期熟成を経て味わいがぐっと凝縮された熟成ゴーダは、口に運ぶたびに豊かな風味が広がり、食べ終わった後も、香りと味わいの余韻がじんわりと続きます。
また、芳醇な旨味を持つ熟成ゴーダとフルーティーな味わいの赤ワインとのマリアージュは、それぞれの美味しさが掛け合わさり、豊かな味わいと余韻をもたらしてくれるでしょう。
本記事では、チーズの熟成について詳しく解説しました。
熟成チーズは、多くの時間と手間ひまをかけて作られており、熟成チーズの種類ごとにさまざまな楽しみ方があります。
芳醇で濃厚な旨味とコクを併せ持った熟成チーズが食べてみたい!という方は、ぜひ一度「よつ葉 北海道十勝熟成ゴーダ」を探してみてくださいね。