水に溶かしたスキムミルクと牛乳では、スキムミルクの方がカルシウムやたんぱく質が多いにもかかわらず、牛乳よりもカロリーが低いことをご存じでしょうか。
またスキムミルクは長期保存が可能で、お年寄りや成長期のお子さまも手軽に栄養を摂取できます。
本記事では、スキムミルクの栄養や使い方、レシピなどをご紹介します。
<本記事でわかること>
・スキムミルクと脱脂粉乳の違い
・スキムミルクと全粉乳・バターミルクパウダーの違い
・スキムミルクと牛乳の栄養比較
・スキムミルクを保管する際の注意点
・スキムミルクの使い方
・スキムミルクのダマになりにくい溶かし方
・スキムミルクを使用したレシピ
スキムミルクと脱脂粉乳は同じもの?
スキムミルクは脱脂粉乳とも呼ばれ、生乳や牛乳から脂肪分と水分を取り除き、粉状にしたものです。
脱脂粉乳と聞くと、戦後の給食で牛乳の代用品として飲まれていたイメージが強いのではないでしょうか。
当時の脱脂粉乳は「あまりおいしくない」と言われていたそうです。
これは当時の脱脂粉乳が主にアメリカからの輸入品で船便での輸送状況や品質管理が良くなかったことから、日本で使用される頃には相当品質が悪化していた、ということが起きていたようです。
一方、現在日本で流通しているスキムミルクは近代的かつ衛生的な設備で製造された高品質なものですし、保管や輸送などの流通技術も当時よりずっと進歩していますから、美味しいスキムミルクをいつでも安心して手に取っていただくことが出来るようになっています。
また、よつ葉乳業では、業務用の脱脂粉乳よりも水やお湯に溶けやすいように、粒子を大きく仕上げたものをスキムミルクとして家庭用に商品化しています。
全粉乳やバターミルクパウダーとの違い
スキムミルクと全粉乳・バターミルクパウダーは、製造方法や栄養成分が異なります。
<製造方法の違い>
製品 |
製造方法 |
脱脂粉乳・スキムミルク |
生乳や牛乳から乳脂肪分を取り除いた脱脂乳を乾燥させたもの |
全粉乳 |
生乳や牛乳を乾燥させたもの |
バターミルクパウダー |
クリームからバターを製造する工程で得られる液体(バターミルク)を乾燥させたもの |
<栄養成分の違い>(100gあたり)
製品 |
栄養成分 |
北海道スキムミルク |
・エネルギー 359kcal ・たんぱく質 36.2g ・脂質 0.7g ・炭水化物 51.9g ・食塩相当量 1.1g ・カルシウム 1,200mg |
よつ葉北海道脱脂粉乳 |
・エネルギー 356kcal ・たんぱく質 35.6g ・脂質 0.7g ・炭水化物 51.8g ・食塩相当量 1.1g ・カルシウム 1,200mg |
よつ葉北海道全粉乳 |
・エネルギー 494kcal ・たんぱく質 27.1g ・脂質 25.5g ・炭水化物 38.9g ・食塩相当量 0.9g ・カルシウム 940mg |
よつ葉北海道バターミルクパウダー |
・エネルギー 390kcal ・たんぱく質 31.0g ・脂質 7.3g ・炭水化物 50.1g ・食塩相当量 1.2g ・カルシウム 960mg |
栄養成分を比較すると、カルシウムが最も豊富に含まれているのはスキムミルク・脱脂粉乳であり、カロリーは全粉乳・バターミルクパウダーよりも低いことがわかります。
スキムミルク(脱脂粉乳)と牛乳を比較すると?
スキムミルクは生乳や牛乳から水分や脂肪分を取り除いたものですが、牛乳と比較した栄養成分やカロリーが気になる方も多いのではないでしょうか。
スキムミルクと牛乳の栄養成分やカロリーの比較、保存性についてご紹介します。
スキムミルク(脱脂粉乳)と牛乳の栄養成分の比較
<カルシウム・たんぱく質の比較>
製品 |
カルシウム・たんぱく質 |
|
・カルシウム 240mg ・たんぱく質 7.24g |
|
・カルシウム 240mg ・たんぱく質 7.12g |
|
・カルシウム 233mg ・たんぱく質 7.0g |
スキムミルクはカルシウムやたんぱく質を手軽に摂取できるため、成長期のお子さまや、栄養バランスが気になるお年寄りの方にもおすすめです。
スキムミルク(脱脂粉乳)と牛乳のカロリーの比較
スキムミルクは生乳や牛乳から水分や脂肪分を取り除いたものなので、牛乳よりもカロリーが低い特徴があります。
例えば、
特選よつ葉牛乳
200mlのエネルギーは140kcal、
北海道スキムミルク
20gを180mlの水に溶かした場合のエネルギーは71.8kcalです。
スキムミルクは牛乳よりもカルシウムやたんぱく質を多く含んでいますが、カロリーはおおよそ半分であることがわかります。
「牛乳は好きだけど、カロリーが気になる」という方は、スキムミルクで代用してみてはいかがでしょうか。
長期保存には牛乳よりもスキムミルク(脱脂粉乳)
スキムミルクは牛乳よりも賞味期限が長いため、長期保存できるメリットがあります。
※よつ葉乳業オンラインショップでは、商品到着後から賞味期限まで、賞味期間の1/2以上の商品をお届けいたします。
しかし、開封後は湿気を吸いやすいため、できるだけ早く使い切りましょう。
スキムミルク(脱脂粉乳)を保管する際の注意点
開封後のスキムミルクは、密封して直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所で保管してください。
また、冷蔵庫で保管すると出し入れの際に結露が生じ、その水分でスキムミルクがダマになってしまうおそれがあります。
正しい方法で保管しつつ、開封後は賞味期限に関わらず早めに使い切ることをおすすめします。
スキムミルク(脱脂粉乳)の使い方
スキムミルクは保存性が高く、カルシウムやたんぱく質を気軽に摂取できるため、牛乳の代わりとしておすすめです。
そんなスキムミルクの使い方をいくつかご紹介します。
水に溶かして飲む
スキムミルクは、水に溶かすだけで牛乳の代わりとして飲めます。
スキムミルクを水に溶かすときの割合は、「スキムミルク:水=1:9」が目安です。
ただし、牛乳よりもあっさりとしているため、物足りなさを感じる場合があります。
甘みを足したい場合は、砂糖やハチミツなどを加えるとよいでしょう。
パン作りに使う
スキムミルクは、パンのレシピに多く登場する材料としても知られています。
パン作りでは小麦粉と水分を混ぜ合わせる工程がありますが、水や牛乳を使用すると、グルテン形成によって仕上がりが固くなることがあります。
※グルテン:小麦粉に含まれるたんぱく質と水が結びついてできる物質
一方で、スキムミルクは水や牛乳よりもグルテン形成に与える影響が少ないため、ふんわりとしたパンに仕上がるのです。
また、スキムミルクに含まれる乳糖には、加熱すると焦げる性質があり、パンにこんがりとした焼き色をつけられます。
ダイエット中に使うのもおすすめ
スキムミルクのカロリーは牛乳のおおよそ半分なので、ダイエット中に活用するのもおすすめです。
ダイエット中でも栄養バランスには配慮する必要があるため、スキムミルクでカロリーを抑えつつ、カルシウムやたんぱく質を摂取しましょう。
ヨーグルトに混ぜて栄養をプラスしたり、シチューやミルクスープの材料にしたりするなど、さまざまなアレンジができます。
コーヒー用ミルクとして使う
スキムミルクはコーヒー用ミルクとして代用できますが、脂肪分をほとんど含まないことから、一般的なコーヒー用クリームとは風味やコクが異なります。
しかし、コーヒーにミルク感を持たせることはできるので、お好みで加えてみてください。
熱湯に入れるとダマになってしまうため、スキムミルクは温水に溶かしてから使いましょう。
防災備蓄に使う
スキムミルクは牛乳よりも長期保存に向いており、常温での保存ができる点から防災備蓄としての活用も可能です。
災害時には栄養をどうやって補給するのかが大きな課題となります。
スキムミルクにはカルシウムやタンパク質が多く含まれているため、災害時の貴重な栄養源としてご活用いただけます。
よつ葉乳業では、スキムミルクだけでなく、常温保存の可能なロングライフ牛乳なども取り扱っていますので防災備蓄をお考えの方は
防災備蓄にもおすすめの商品
からご覧ください。
スキムミルク(脱脂粉乳)のダマになりにくい溶かし方
スキムミルクは冷水・熱湯では溶けにくいため、50℃以上の温水を使うとよいでしょう。
さらに、以下のようなポイントを押さえておくと、スキムミルクがダマになりにくく、きれいに溶かせます。
<スキムミルクをきれいに溶かすポイント>
・スキムミルクに温水を加えるのではなく、温水にスキムミルクを浮かせて粉を拡散させる
・温水をかき混ぜながらスキムミルクを少しずつ加える
・グラニュー糖などを一緒に溶かす場合は、溶かす前に粉同士をよく混ぜておく
・シチューなどのとろみが出る料理に使う場合は、とろみが出る前に溶かしておく
・泡立て器で混ぜながら溶かす
北海道の生乳100%!よつ葉北海道スキムミルク
北海道スキムミルク
は、北海道産の生乳を100%使用しています。
水やお湯に溶けやすくするために、業務用の脱脂粉乳よりも粒子をやや大きく仕上げました。
常温で長期保存できるため、備蓄用や非常食にもぴったりです。
また、パッケージにはジッパーがついているため、そのまま保管できます。
よつ葉乳業のスキムミルク(脱脂粉乳)を使ったレシピ
長期保存が可能なスキムミルクは、さまざまな料理に活用できます。
スキムミルクを使った根菜入りミルクスープのレシピ
体が温まる、やさしい味わいのミルクスープのレシピをご紹介します。
<材料(2人分)>
・ごぼう 60g
・にんじん 60g
・玉ねぎ 60g
・ベーコン 30g
・小麦粉 大さじ2
・水 400ml
・顆粒コンソメ 小さじ2
・塩・こしょう 適量
・パセリ 適量
<作り方>
1.包丁の裏でごぼうの皮をこそぎ、ささがきにして水にさらす
2.皮を剥いたにんじん、玉ねぎ、ベーコンを1cm角に切る
3.鍋にバターを入れて中火にかけ、①②を入れて炒める
4.玉ねぎが透き通ってきたら、小麦粉を加えて粉っぽさがなくなるまで炒める
5.鍋に水とコンソメを加え、根菜が柔らかくなるまで煮る
6.少量の水で溶かしたスキムミルクを加え、とろみがついたら塩・こしょうで味を整える
7.器に盛り、パセリを振ったら完成
スキムミルクを使ったお菓子のレシピ
スキムミルクを使った、「フルーツのカスタードトライフル」のレシピをご紹介します。
<材料(2人分)>
・卵 1個
・砂糖 20g
・薄力粉 5g
・水 120ml
・バニラエッセンス 数滴
・カステラ 2切れ
・いちご 適量
・キウイ 適量
・ブルーベリー 適量
・ミント・粉砂糖 お好みで
<作り方>
1.ボウルに卵を割り入れ、砂糖を加えて泡立て器でよく混ぜる
2.①に薄力粉をふるい入れ、スキムミルクを加えてなめらかになるまで混ぜる
3.②に水を加えてよく混ぜ、電子レンジ600Wで1分20秒加熱し、泡立て器で一度混ぜる
4.さらに600Wで1分加熱し、よく混ぜてなめらかにしたら、バニラエッセンスを入れて混ぜる
5.バットなどに移し、表面にラップを貼り付けて冷蔵庫で冷やす
※傷みやすいのですぐに冷やすと安心です
6.カステラは2cm角、いちご、キウイはカステラと同じくらいのサイズに切る
7.器に⑥と⑤、ブルーベリーを交互に入れる
8.お好みで粉砂糖をかけ、ミントを添えたら完成
よつ葉乳業のレシピページでは、スキムミルクを使用したレシピを多数掲載しています。
長期保存が可能なスキムミルクを、ぜひさまざまな料理に活用してみてください。
まとめ
スキムミルクと脱脂粉乳の違いや、牛乳との栄養成分の比較などをご紹介しました。
スキムミルクは生乳や牛乳から水分や乳脂肪分を抜いたものなので、カロリーは牛乳のおおよそ半分です。
しかし、カルシウムやたんぱく質は牛乳よりも多く含まれており、手軽に栄養を摂取できます。
水に溶かして飲む以外にも、さまざまな料理に活用できるので、ぜひ試してみてください。
【参考文献】
・クラシル スキムミルクとは? .https://www.kurashiru.com/articles/1c5943d9-2223-4748-8caa-709408f4f6b9
・よつ葉Q&A 脱脂粉乳(スキムミルク)・全粉乳・バターミルクパウダーの製造方法や、製菓・パンに使用した際の違いは何ですか? .https://www.yotsuba.co.jp/faq/faqlist/2679.html
・日本乳業協会 脱脂粉乳とはどういうものですか? .https://nyukyou.jp/dairyqa/2107_004_362/
・オリーブオイルをひとまわし スキムミルクと牛乳はどう違うのか?代用方法や成分についても紹介 .https://www.olive-hitomawashi.com/column/2021/02/post-13760.html
・DELISH KITCHEN スキムミルクの使い方 .https://delishkitchen.tv/articles/459#contents4
・クラシルどんな味がするの?スキムミルクと水の割合は? .https://www.kurashiru.com/articles/1c5943d9-2223-4748-8caa-709408f4f6b9
・あすけん カルシウム補給やダイエットにも!スキムミルクの栄養と取り入れ方 .https://column.asken.jp/purpose/purpose-13956/
・よつ葉Q&A スキムミルクをコーヒー用ミルクとして使ってもいいですか? .https://www.yotsuba.co.jp/faq/faqlist/1150.html